第57回青年部大会&第六回交流会が開催されました☆

大変な暑さ、そしてコロナが猛威を振るう中、令和6年8月4日、第57回青年部大会&第6回交流会が、ホテルプラザオーサカの雅の間にて盛大に開かれました。

青年部大会と交流会を併せて開催するという初の試みには、近年、青年部大会も白鷺の諸行事も、以前に比べると人を集めることが難しく、参加費で諸経費を賄うことも容易ではないという事情もあってのことで、実際どのくらいご参加くださるのだろうかと当初は案じておりました。

しかし、古賀戍孝副会長のご尽力もあり、122名のお申し込みと、113名の当日ご出席を頂き、まさしく老若男女が集い、盛会となりました。ありがたいことには広島、岡山、浜松、東京からも遠路お運びいただきました。

絢爛豪華な会場にも臆することなく、青年部は例年通り揃いのTシャツを作成しました。構成吟の題材『源氏物語』をイメージした紫色に、藤原凜声さんのご揮毫になる「白鷺」と短歌が羽ばたくような自慢のTシャツです。

式典も、常任理事と歴代青年部長とが先導を務め、新鮮な期待感のうちに幕が開きました。


青年部大会は、開催の形は変わっても、これまでやってきたことをやろうという思いを合わせ、短い時間ながら、会員吟詠、友好青年部来賓吟詠、飛び入り吟詠、構成吟を行いました。

会員吟詠は、人数の少ない会の方もみなさま舞台で一吟して頂くべく、ぎりぎりまで組み合わせを検討しました。吟題等のお知らせが遅くなりましたが、各会のご協力を賜り、どの組も溌剌たる吟声を響かせてくださいました。慣れない会場で、出入りの流れが思い通りでなく、少々冷や汗もかきましたが、司会・進行の方々において臨機応変にご対応いただきました。

友好青年部のご来賓をお呼びするかについても、喧々諤々の議論があり、やはりお呼びしたいということで急遽お声がけいたしました。それにもかかわらず7名の先生方にお越しいただき、日常や会の進行の慌ただしさも吹き飛ばす熱吟を頂きました。青年部の皆にとって得るところがあったのではないかと思います。

続く、青年部大会恒例の「飛び入り吟詠」。当日エントリーの方に舞台上で吟じていただき、先生方からのアドバイスを頂くというコーナーです。今回は、大取鷲照先生と中谷淞苑先生によるご指導を頂け、意欲あふれる4名の飛び入り吟者の方ともども、勉強させていただきました。顔ぶれ新たな司会のもと、例年以上に飛び入り吟者の方々のプロフィールもうかがえ、あたたかで活気ある時間でした。

青年部としては目玉のプログラムである構成吟。「源氏物語―Fall in Love―あれも愛、これも愛…」と題し、石本恍武副部長の脚本・音響、堀尾登倭さんの衣装が光り、世界観を作り上げてくださったほか、桐壺の気品にあふれる森佳仁さんの長大なナレ、冒頭のナレと朧月夜の演技をこなしてくださった名女優の和田彩仁さん、光源氏の和歌をたくさん朗読してくださった平岡娟譲さんと無理を言って光源氏を演じていただいた安田行軌さん、教本にない和歌を情感たっぷりに朗詠してくださった池田恍聖さん、藤原凜声さんをはじめ、吟もそれぞれ出し惜しみなくご披露いただきました。中でも、岡山から内座慶玲さん、木南駿照さん、浜松から水野庫龍さん、東京から甲山眞季さんのご出吟を得られ、青年部員の力を結集した作品となりました。

なお、構成吟に取り入れた漢詩のほとんどは、直接的には源氏物語とは関係のないものですが、女流詩人の詩も複数選んでおり、もし『源氏物語』と各漢詩との双方を新たな角度から味わいなおすきっかけとしていただけたならば望外の喜びです。

交流会は、新教本講習に始まりました。初めて手に取られた方も多い新教本A204、A205の解説を谷澤曉声先生、吟法指導を塩路澄誠先生より頂き、詩の背景や表現の要点を学びました。

「白楽天の左降されしを聞く」では、作者元稹と白居易の断琴の交わりが印象的で、吟については静かな夜と急な報への反応の対照を表現したいと感じるとともに、中二段引き上げ揺りの扱いがよくわかりました。「八陣の図」では、我々にとって歴史上の偉人である作者杜甫が、我々が『三国志』を愛するのと同様にと言ってよいかはいざ知らず、同じく歴史上の偉人である諸葛孔明を敬愛していたということは少しく目から鱗で、その思いを大事に、語数の少ない吟ながら言葉・節とも堂々と聞かせたいと思え、下音二段上げについても理解できました。

浜松での吟行会で好評を博した連吟企画を模して、当日に主催の事業企画部が指名したペア及び吟題で連吟を頂く「交流連吟」も行いました。

舞台袖においてペアで打ち合わせをされる中で新たな会話も生まれたようで、和気藹々とした雰囲気もあり、またベテランの先生も青年部メンバーも各々に響かせる凛々たる吟声に会場は沸き、時にはハプニングに笑いが起こり、密度の濃い時間を共有できました。

交流会の最後には抽選会が設けられ、連吟にご協力いただいたペアから抽選で、十三の有名な喜八洲総本舗の酒饅頭がプレゼントされました。これにも会場は大いに盛り上がりました。

懇親会パーティではホテルの美食を堪能し、テーブルごとのカラオケが始まると、会場全部を巻き込まんばかりに踊りの輪が広がり、大団円となりました。

青年部大会&交流会を通じ、企画進行に粉骨砕身してくださる先生方や青年部員、お忙しい中に労をいとわずお集まりくださるお一人お一人のお蔭様をもって、あらゆる行事とそれを要とする組織は維持され、ひいては詩吟の楽しみを分かち合えるのだということを深く感じました。
何某か吟界に資することができるよう、個人としても、また白鷺青年部としても心を合わせ頑張りたいという気持ちを新たにいたしました。この度は本当にありがとうございました。今後ともどうかお心をお寄せいただき、ご指導ご助力を賜れますよう宜しくお願い申し上げます。

<白鷺青年部長・藤山 澄玄>

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